「9月になったし、暑さ対策もそろそろ終わりかな」
そんなふうに思い始める時期ですが、犬・猫との暮らしでは“夏から秋への切り替え”を急がないことが大切です。
熊本では平年でも9月中旬ごろまで暑さが残ります。
一方で朝晩は少し涼しくなり、エアコンを切ったり犬の散歩を長くしたりと、生活は少しずつ秋仕様へ。
9月に気をつけたいのは、暑さ対策を急にやめること。
そして、食欲や元気の変化を「夏バテだろう」で済ませてしまうことです。
今回は、犬・猫の夏バテ対策として、秋へ移り変わる時期に見直したい5つのポイントを紹介します。
そもそも犬・猫の「夏バテ」って?

「夏バテ」は、ひとつの病気を指す正式な診断名ではありません。
暑い時期に、
- 食欲が落ちる
- 元気がない
- 動きたがらない
- 嘔吐や下痢がある
などの変化が見られたとき、一般的に「夏バテ」と表現されることがあります。
ただし、こうした症状はほかの体調不良や病気でも見られます。
「夏バテかどうか」を判断しようとするより、“いつものこの子と何が違うのか”を見ることを意識してみましょう。
9月に見直したい5つ|犬・猫の夏バテ

1.朝が涼しいからとエアコンを切らない
朝晩が過ごしやすくなると、エアコンを使わない日も増えてきます。
ただ、朝は涼しくても、日中になれば室温が上がることも。
特に留守番の日は、飼い主さんが暑さに気づけません。
環境省でも、犬や猫の熱中症対策として、室内の温度・湿度を適切に管理し、ペット自身が快適な場所へ移動できる環境を整えることを呼びかけています。
「9月だからエアコン終了」ではなく、その日の気温と昼間の室温で判断しましょう。
2.犬の散歩をいきなり夏前の長さに戻さない
少し涼しくなると、「今日は久しぶりに長く歩こう!」と思いたくなります。
しかし、夏の間に散歩時間や運動量を減らしていたなら、急に以前と同じ量へ戻さなくても大丈夫。
また、人には涼しく感じても、日差しが強かったり路面に熱が残っていたりします。
環境省も、暑い時期の散歩は日中を避け早朝や夜など涼しい時間帯を選ぶよう呼びかけています。
気温・日差し・路面、そして愛犬の疲れ方を見ながら少しずつ戻していきましょう。
3.「一応食べている」で安心しない
完全に食べなくなれば気づきやすいもの。
意外と見逃しやすいのは、「食べてはいるけれど、いつもの半分くらい」という変化です。
特に、
- 置き餌をしている
- 多頭飼いをしている
- おやつはいつも通り食べる
という家庭では、食事量の低下に気づきにくいこともあります。
猫の食欲不振は、さまざまな体調不良で見られるサイン。
食べない状態が続くこと自体も健康に影響するため、軽く考えないことが大切です。
「食べた・食べなかった」だけでなく、“いつもの何割くらい食べたか”まで見ると変化に気づきやすくなります。
4.水をたくさん飲んでいるから安心、とは限らない
暑い時期にしっかり水を飲めているのは大切です。
ただし、「よく飲んでいる=体調は問題なし」とは限りません。
いつもと比べて飲水量や尿量が大きく増えた場合も、体調変化を知る手がかりになります。
反対に、飲む量が急に減っている場合も要チェック。
水は「飲んでいるか」だけではなく、“いつもより増えた?減った?”を見るのがポイントです。
猫では、脱水によって元気や食欲の低下などが見られることもあります。
5.「夏の疲れかな」で終わらせない
「最近よく寝ている」
「ごはんを少し残す」
「なんとなく元気がない」
8月末〜9月なら、つい「夏バテかな」と考えてしまいます。
もちろん、一時的な体調変化の場合もあります。
ただ、“夏バテっぽい症状”と病気のサインは重なることがあります。
食欲が戻らない、嘔吐や下痢もある、普段とは明らかに様子が違う……。
そんなときは、「夏の疲れだろう」と原因まで決めつけないことが大切です。
猫は「水の場所」まで見てみよう

猫と暮らしている方は、水の量だけではなく水飲み場の場所も一度チェックしてみてください。
特に多頭飼いでは、ほかの猫や犬との関係によって、水飲み場へ行きづらくなっていることがあります。
たとえば、
- 水皿が1か所しかない
- ほかの猫がよくいる場所に置いてある
- 犬のそばを通らないと水へ行けない
- 人通りが多く落ち着かない
などはありませんか?
「水を置いている」ではなく、“その子が落ち着いて飲めているか”を見るのがポイントです。
多頭飼いなら、水飲み場を複数用意して場所を離してみるのもひとつの方法です。
犬は「ハアハアする場所とタイミング」をチェック

犬が口を開けてハアハアする「パンティング」は、体温を調節するためにも見られる行動です。
散歩や運動のあとに見られること自体は珍しくありません。
気にしておきたいのは、「涼しい室内で休んでいるのに、激しいパンティングが続いている」といった場合。
さらに、
- よだれが多い
- ぐったりしている
- ふらつく
- 嘔吐・下痢
- 倒れる
- けいれん
などが見られる場合は、熱中症の可能性もあります。
熱中症は急速に重症化することがあるため、速やかな対応が必要です。
「夏バテで疲れているだけかな」と様子を見ず、気になる症状がある場合は動物病院へ連絡しましょう。
【参考記事】
「夏バテかも」と思ったら5つだけメモ

なんとなく様子を見るより、体調の変化を簡単に残しておくと分かりやすくなります。
✔︎ 食事:いつもの何割くらい食べた?
✔︎ 水:いつもより増えた?減った?
✔︎ 排泄:便・尿の回数や状態は?
✔︎ 元気:遊び・散歩・呼びかけへの反応は?
✔︎ 症状:嘔吐・下痢・激しいパンティングなどはある?
さらに、「いつから変わったか」もスマートフォンなどに残しておくと、受診するときに経過を伝えやすくなります。
夏バテで済ませず動物病院へ相談したいサイン

「何日なら様子を見て大丈夫」と、すべての犬・猫に共通する期間はありません。
年齢や持病、症状の強さによっても変わります。
特に、
- ほとんど食べない
- 水分を取れない
- 嘔吐・下痢を繰り返す
- 吐いたものや便に血が混じる
- ぐったりしている
- 飲水量・尿量が急に変わった
- 普段と明らかに様子が違う
- 症状が続く、悪化している
場合は、かかりつけの動物病院へ相談しましょう。短時間に何度も吐く、重い下痢、反応がおかしいなどは早めの受診が必要なサインとして挙げられています。
また、激しいパンティング、ふらつき、倒れる、けいれんなどがある場合は、熱中症を含む緊急性の高い状態も考えられます。
9月は「夏対策終了」ではなく、少しずつ秋仕様へ

9月になったからといって、犬・猫のために新しく特別なことを始める必要はありません。
むしろ見直したいのは、
エアコンを急にやめる。
散歩をいきなり長くする。
「一応食べているから大丈夫」と思う。
「夏バテだろう」と不調を決めつける。
といった、夏から秋への切り替えを急ぎすぎることです。
熊本では、9月中旬ごろまで最高気温30℃前後が平年となっています。
カレンダーだけで秋仕様へ変えるのではなく、その日の暑さと愛犬・愛猫の様子を見ながら少しずつ調整していきましょう。
そして「なんとなく、いつもと違う」と感じたときは、その変化を見過ごさないこと。
夏バテと決めつけず、気になる状態が続く場合は早めに動物病院へ相談してください。
本記事は一般的な健康情報を紹介するもので、診断・治療に代わるものではありません。愛犬・愛猫の体調に異変がある場合は獣医師へご相談ください。
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