愛犬・愛猫を家族に迎えたら、必ず考えなければならないのがワクチン接種です。
このように、初めての飼い主さんには疑問がたくさんあるはず。
この記事では、犬と猫のワクチンについて、種類・費用・接種スケジュールから副作用まで、知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説します。
※この記事は獣医学的な情報をもとに作成していますが、個々のペットの状態により内容・対応は異なります。ご注意ください。
そもそもワクチンって何?

ワクチンの仕組み
ワクチンとは、無毒化または弱毒化した病原体を体内に入れることで、人工的に免疫を作り出す予防医療です。
あらかじめ免疫をつけておくことで、実際に病原体が侵入してきたときに発症を防いだり、発症しても軽症で済ませることができます。
ワクチンが必要な理由
- 愛犬・愛猫を守るため
犬や猫の感染症の中には、発症すると死亡率が高いものや、治療法が確立されていないものも少なくありません。ワクチンは、そうした病気を未然に防ぐための大切な手段です。 - 周りの動物を守るため
多くの動物がワクチン接種を受けることで「集団免疫」が生まれ、地域全体で感染症が広がるリスクを抑えることにもつながります。 - 人間を守るため
狂犬病やレプトスピラ症など、動物から人へ感染する「人獣共通感染症」への備えという意味でも、ワクチン接種は重要な役割を果たします。
犬のワクチン

犬のワクチンは、法律で義務付けられている「狂犬病ワクチン」と、任意接種の「混合ワクチン」の2種類があります。
狂犬病ワクチン(義務接種)
接種義務と罰則
狂犬病予防法により、生後91日以上の犬は年1回の接種が義務付けられています。未接種の場合、20万円以下の罰金が科される可能性があります。
接種時期
接種方法
- 自治体主催の集合注射
- 動物病院での個別接種
費用
3,000〜4,000円程度
(地域により異なる)
混合ワクチン(任意接種)
混合ワクチンは、複数の感染症を一度に予防できるワクチンです。法的義務はありませんが、愛犬の健康を守るために強く推奨されています。
コアワクチンとノンコアワクチン
世界小動物獣医師会(WSAVA)は、ワクチンを以下のように分類しています。
コアワクチン(すべての犬に推奨)
- 犬ジステンパー
- 犬パルボウイルス感染症
- 犬伝染性肝炎
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬レプトスピラ症
ノンコアワクチン(生活環境に応じて)
- 犬パラインフルエンザ
- 犬コロナウイルス感染症
混合ワクチンの種類と費用
※金額は「目安」です。地域や各病院により異なります。
| 種類 | 予防できる病気 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 5種 | コアワクチンすべて | 5,000〜8,000円 |
| 6種 | 5種 犬コロナウイルス | 6,000〜9,000円 |
| 8種 | 6種 犬レプトスピラ2種類 | 7,000〜10,000円 |
| 10種 | 8種 犬レプトスピラ追加2種類 | 8,000〜12,000円 |
どのワクチンを選ぶべき?
かかりつけの獣医師と相談して、愛犬のライフスタイルに合ったワクチンを選びましょう。
犬のワクチン接種スケジュール
仔犬の場合
母犬からもらった免疫(移行抗体)が残っている間は、ワクチンの効果が十分に得られません。そのため、複数回の接種が必要です。
成犬の場合
日本では慣習的に毎年接種が推奨されていますが、獣医師と相談の上、抗体価検査を利用する方法もあります。
猫のワクチン

猫のワクチンは、犬の狂犬病ワクチンのように法的義務はありませんが、感染症予防のために強く推奨されています。
猫の混合ワクチンの種類
コアワクチン(すべての猫に推奨)
- 猫ウイルス性鼻気管炎
(猫ヘルペスウイルス感染症) - 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
(猫パルボウイルス感染症)
これら3つは「猫風邪」と呼ばれ、子猫では死亡率も高いため、予防が重要です。
ノンコアワクチン(生活環境に応じて)
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫クラミジア感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
混合ワクチンの種類と費用
※金額は「目安」です。地域や各病院により異なります。
| 種類 | 予防できる病気 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 3種 | コアワクチン3つ | 3,000〜5,000円 |
| 4種 | 3種 猫白血病ウイルス | 4,000〜6,000円 |
| 5種 | 4種 猫クラミジア | 5,000〜8,000円 |
※猫エイズワクチンは単体で接種
(2025年1月現在、国内唯一の正規品が終売)
どのワクチンを選ぶべき?
※注意
猫白血病ウイルスや猫エイズのワクチンを初めて接種する場合は、事前にウイルス検査を行い、感染の有無を確認する必要があります。
猫のワクチン接種スケジュール
仔猫の場合
2回目接種後、1〜2週間で免疫がつきます。それまでは外出や他の猫との接触を控えましょう。
※免疫獲得の目安は個体差もあります。
成猫の場合
- コアワクチン(3種):3年ごと
- ノンコアワクチン:年1回
※WSAVAガイドラインの推奨
ただし、以下の場合は年1回の接種が推奨されます。
完全室内飼いの猫は、基本的には3種ワクチンを3年に1回でOK。
ただし、飼い主が外で他の猫を触った場合は、手洗いを徹底してから家に入りましょう。
ワクチンの副作用(副反応)について

ワクチン接種後、稀に副作用が出ることも。事前に知識を持っておくことで、適切に対処することができます。
副作用の発生率
犬の場合
- 副反応発生率
0.63%(10,000回接種あたり63件)
猫の場合
- 副反応発生率
1.25%(10,000回接種あたり125件)
※猫は犬より発生率が高いが、軽症が多いのが特徴。
副作用の種類と症状
軽度の副作用
(接種後30分〜2時間以内)
→ 自宅で安静にし、翌日まで様子を見る
アレルギー反応
(接種後数時間〜48時間以内)
→ すぐに動物病院を受診
アナフィラキシーショック
(接種後30分以内)
→ 直ちに動物病院へ連絡し受診
遅延型の副作用
- 接種部位のしこり
1週間後に出現、通常1ヶ月以内に消失 - 猫のワクチン接種部位肉腫
接種後3ヶ月〜2年以内に発生する悪性腫瘍(非常に稀)
副作用を最小限にするために
<接種前のチェック>
<接種後の注意>
まとめ:大切な家族を守るために

ワクチン接種は、愛犬・愛猫を感染症から守る最も効果的な予防手段です。
ワクチンの種類やスケジュールについて不安があれば、遠慮なくかかりつけの動物病院に相談しましょう。正しい知識を持って、愛犬・愛猫の健康を守ってあげてくださいね。
✔︎ もふもふ新聞より

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