「地震のあとから、愛犬が少しの音にも驚くようになった」
「愛猫が隠れている時間が増えた気がする」
そんな変化はありませんか?
2026年7月28日、熊本県では最大震度7を観測する大きな地震が発生しました。
発生から時間がたち、少しずつ日常を取り戻している家庭もある一方、犬や猫には地震そのものだけでなく、余震や避難、生活環境の変化による影響が続いている可能性があります。
実際、今回の熊本地震の被災地でも、避難生活を送る動物の中にストレスから体調を崩している子がいることが報告されています。
地震後に気をつけたいのは、ケガだけではありません。食欲・排泄・睡眠・行動など、普段との小さな違いに気づくことも大切です。
今回は、地震後に犬や猫に見られることがある変化と、自宅でできるケア、動物病院へ相談したいサインをまとめました。
地震後、犬や猫の様子が変わることはある?

あります。
日本獣医生命科学大学の水越美奈氏による災害時のペットに関する報告では、過去の震災後に
- 音に敏感になった
- 落ち着きがなくなった
- 夜に眠りが浅くなった
- 飼い主のそばを離れなくなった
- 隠れて出てこなくなった
- 食欲が落ちた
- 下痢や嘔吐がみられた
などの変化が報告されています。
すべての犬や猫に変化が出るわけではなく、現れ方もその子によって異なります。
また地震そのものだけでなく、避難先への移動や普段と違う食事、飼い主さんと離れる時間が増えることなど、地震後の環境変化も負担になる可能性があります。
環境省も、避難や避難生活はペットにとって大きなストレスになる可能性があるとしています。
地震後の犬に見られることがある変化

犬の場合は、普段より不安そうな行動が目立つことがあります。
◼️ 物音や振動に敏感になる
◼️ 体を震わせる
◼️ 落ち着かずウロウロする
◼️ 飼い主さんのあとをついて回る
◼️ 夜に何度も起きる
◼️ 食欲が落ちる
◼️ 下痢や嘔吐をする
過去の震災後には、緊急地震速報の音を聞いただけで震える、飼い主さんについて回るといった相談も報告されています。
「前は平気だった音を怖がるようになった」という変化も、しばらく様子を見ておきたいポイントです。
地震後の猫に見られることがある変化

猫の場合は、犬とは少し違った形で不安が表れることがあります。
◼️ 家具の下などに隠れて出てこない
◼️ いつもより警戒している
◼️ 食欲が落ちる
◼️ 水を飲む量が変わる
◼️ トイレの回数や量が変わる
◼️ 普段と違う場所で過ごす
過去の震災でも、猫では「どこかに隠れて出てこなくなった」という変化が多く報告されています。
特に猫は、体調が悪くても変化が目立ちにくいことがあります。
そのため「隠れているから怖いだけかな」と考えるだけでなく、食事・飲水・排尿・排便までセットで確認するのがおすすめです。
「地震のストレスかな」で済ませないで|受診を考えたいサイン

地震のあとに体調を崩していても、原因がストレスだけとは限りません。
普段と明らかに違う状態が続く場合は、「地震のせいだろう」と自己判断せず、動物病院へ相談しましょう。
特に、
- 呼吸が苦しそう
- ぐったりして動けない
- けいれんする
- 嘔吐や下痢を繰り返す
- 尿が出ない、何度も排尿姿勢をとるのに出ない
- 水も飲めない
- 食欲が戻らない
といった場合は注意が必要です。
呼吸困難やけいれん、倒れる、尿が出ない状態などは、早急な獣医療が必要となるサインに含まれます。
特に猫の「食べない」は早めに相談を

猫の食欲不振は長く様子を見すぎないことも大切です。
成猫でも食欲がない状態が24時間ほど続くと、健康に大きな影響を及ぼす可能性があるといわれています。
「いつもより少ない」ではなく、ほとんど食べていない状態が続いている場合は、早めにかかりつけの動物病院へ相談しましょう。
地震後の犬・猫のために家庭でできること

特別なことをたくさんする必要はありません。
大切なのは、できるだけ「いつもの生活」に近づけてあげることです。
✔︎ 安心して休める場所をつくる
普段使っているベッドやケージ、キャリーなど、その子が落ち着ける場所を確保します。
猫が安全な場所に隠れている場合は、無理に引っ張り出すよりも、食事や排泄などを確認しながら落ち着ける環境を保ちましょう。
✔︎ 食事を急に変えすぎない
災害後は、手に入るフードが変わってしまうこともあります。
しかし、慣れていないフードへの急な変更も消化器症状につながる可能性があります。
可能であれば、普段食べ慣れているフードを続けることもポイントです。
✔︎ 食事・水・トイレを毎日チェック
「元気そう」に見えるかだけでなく、
- 今日はどのくらい食べた?
- 水は飲んでいる?
- おしっこは出ている?
- 便はいつも通り?
- 眠れている?
と具体的に見てみましょう。
普段の状態を知っている飼い主さんだからこそ気づける“小さな違い”があります。
✔︎ 無理に元気にさせようとしない
怖がっている犬を無理に外へ連れ出したり、隠れている猫を何度も抱き上げたりする必要はありません。
落ち着いて過ごせる場所を確保しながら、少しずつ普段の生活リズムへ戻していきましょう。
【令和8年熊本地震】ペットのことで困ったときの相談先

令和8年熊本地震を受け、熊本県ではペットに関する相談窓口が設けられています。
熊本県動物愛護センター「アニマルフレンズ熊本」
電話:0964-27-8115
相談時間:月〜金曜日 9:00〜16:00
※土日・祝祭日・年末年始を除く
迷子や避難所での飼育、ペット用品、飼育継続など、被災したペットに関する相談を受け付けています。
また、熊本県・熊本市・熊本県獣医師会による「熊本地震ペット救護本部」では、被災した犬・猫の一時預かりも行われています。
一時預かり受付:090-7481-3406
受付時間:月〜土曜日 9:00〜16:00
※日曜・祝祭日を除く
熊本県では8月16日に、被災したペットを対象とした獣医師による無料健康相談会も実施されました。
今後の開催については、決まり次第案内するとしています。
【参考記事】
※相談窓口・支援内容は2026年8月18日時点の情報です。最新情報は熊本県公式サイト等をご確認ください。
地震から時間がたった今も、犬・猫の小さな変化を大切に

大きな地震を経験したあと、いつもの生活に戻るまでに必要な時間は、人も犬も猫もそれぞれです。
地震直後はケガや避難のことで精一杯だったという方も多いかもしれません。
少し落ち着いてきた今だからこそ、改めて愛犬・愛猫の「いつもと違うところ」がないか見てみてください。
食欲、睡眠、排泄、物音への反応、飼い主さんとの距離。
小さな変化でも、普段を知っている飼い主さんだから気づけることがあります。
「地震のストレスだから仕方ない」と決めつけず、気になる状態が続くときは動物病院や相談窓口を頼ることも、大切なペットを守る行動のひとつです。
人も犬も猫も、少しずつ安心できる日常を取り戻していけますように。
【参考記事】
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