もし地震や大雨が来たとき、うちの子を連れていける避難所はどこ?
熊本で暮らす飼い主さんなら、一度は頭をよぎったことがあるはずです。
2016年の熊本地震では、ペットを連れていけないことを理由に避難所へ行かず、危険な自宅に残り続けた飼い主が多数いたことが記録されています。
ペットは家族の一員。でもだからこそ、「大丈夫だろう」という曖昧な安心感のまま当日を迎えるのが一番危険なのです。
そこでこの記事では、2026年5月時点で自治体公式サイトを直接確認できた情報をもとに、熊本県内のペット同行避難所情報や、事前に準備しておきたいことをまとめました。
もしもの時、大切な家族を守るために。
“その時”が来る前に、一度確認しておきませんか?
本記事の情報は2026年5月時点での内容です。
各避難所の開設有無・条件は災害の種類や発令状況によって変わります。実際の避難時は必ず最新の公式情報をご確認ください。
まず知っておきたい「同行避難」と「同伴避難」の違い

「ペットOKの避難所って、一緒に寝泊まりできるってこと?」
実は、必ずしもそうとは限りません。
災害時のペット避難には、「同行避難」と「同伴避難」という2つの言葉があります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 同行避難 | ペットと一緒に安全な場所まで避難すること |
| 同伴避難 | 避難所内で人とペットが同じ空間で生活できる状態 |
熊本県や環境省が基本としているのは「同行避難」。
つまり、ペットを連れて避難することは想定されていますが、“避難所でずっと同じ部屋で過ごせる”とは限らない、ということです。
実際には、ペットは屋外スペースや駐車場などで過ごすケースも少なくありません。
「ペットOKって聞いていたのに、一緒にいられなかった…」
そんな混乱を防ぐためにも、この違いは事前に知っておきたいポイントです。
熊本で公式確認できたペット同行避難所一覧
2026年5月時点で、施設名・条件まで自治体公式ページを直接確認できた公式に確認できたペット避難所をご紹介します。
「常時開設中」ではなく、災害時に指定・運用方針が示された場所です。
熊本市のペット同伴避難所
公式ページ最終更新日:2023年6月5日
熊本市の公式防災サイトでは、避難場所の区分に「ペット同伴避難場所」が独立して設けられており、以下の2か所が明記されています。
2022年の台風時には、持参物・家族人数・駐車場のスペースに上限がある旨も案内されました。
地域の小中学校など「指定避難所」へのペット同行避難も想定されていますが、ペットは建物内(人の居住スペース)には入れず、屋外の駐輪場・軒下・指定エリアなどで過ごすことになります。
人吉市のペット同行避難所
公式ページ最終更新日:2026年4月24日
公式ページに開設条件が明確に記されています。
(一部抜粋)
山都町のペット同行避難所
公式ページ最終更新日:2025年12月16日
利用条件・ルールが公式ページに詳細掲載されています。
(一部抜粋)
その他の自治体について
熊本県内では、ペット同行避難所の整備・開設を進める動きが広がっています。
菊陽町・水俣市・合志市・南阿蘇村・八代市などその他の地域でも、過去の受け入れ実績や方針があることを示す情報が一部で見られます。
しかし、2026年5月時点で公式サイトから施設名・開設条件を直接確認できていないため、今回は記載していません。
「情報がない=受け入れない」ではありません。
詳しくは、後述の窓口へ直接確認することが大切です。
熊本のペット避難所で知っておきたい利用ルール

受け入れできるペットの種類
犬・猫・ハムスター・うさぎ・インコなどの小型動物が対象になるケースが多い傾向。爬虫類や、人・他のペットに危害を与えるおそれのある動物は不可としている自治体がほとんどです。
ペットは人と別スペースになることも
多くの場合、人とペットの居住空間は別となります。屋外・駐車場・ピロティー・軒下・車中などが飼養スペースになります。人吉市公式ページにも「避難所では決められた場所で別々の避難生活となる」と明記されています。
ペット用品や管理は飼い主責任
エサやり・給水・排泄処理・清掃・苦情対応まで、すべて飼い主の責任が原則です。避難所スタッフがペットの世話をしてくれることは基本的にありません。
避難情報の発令レベルを事前に把握する
人吉市のように「高齢者等避難以上」が発令された場合のみ開設となる避難所もあります。どの警戒レベルで利用できるかは、自治体ごとに異なります。
熊本のペット同行避難で必要な持ち物リスト

避難所でのペット用備蓄はありません。人吉市公式の案内では「少なくとも5日分、できれば7日以上」を目安に挙げており、熊本県公式も「最低5日分以上」を推奨しています。
命・健康に関わるもの
飼い主・ペットの情報がわかるもの
その他ペット用品
熊本市公式は「ペットを連れて、ペット用と人用の避難用品を持って避難できるか事前に確認しておきましょう」と呼びかけています。
荷物が多すぎて実際には持ち出せない、という状況を防ぐためにも一度実際に試してみることをおすすめします。
【参考記事】

熊本地震で見えたペット避難の課題とは

2016年の熊本地震は、ペット同行避難の現実を全国に突きつけた出来事でした。
環境省「熊本地震における被災動物対応記録集」によると、熊本市を除く16市町村の136か所(のべ147か所)の避難所を巡回調査したところ、調査時とそれ以前に同行避難があったとされる避難所は85か所(62.5%) にのぼりました。
しかし当時は避難所ごとに管理者の判断でルールがバラバラで、対応は施設によって大きく異なったという現状が。
さらに一部の避難所で室内への持込みが原則不可であることが「ペット同行避難はできない」と誤ってSNSで拡散し、被災地に混乱が生じたことも同記録集に記されています。
「ペット避難は何とかなる」という曖昧な安心感は危険です。
避難が必要でない今、ルールを確認し具体的に備えておくことが、熊本地震が残した最大の教訓です。
熊本でペット同行避難について相談できる窓口
公式サイトで最新情報が見つからないエリアも、問い合わせれば情報が得られるケースがあります。以下の電話番号と管轄エリアは、熊本県動物愛護センター公式サイトの表を直接確認したものです。
| 管轄エリア | 相談窓口 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 荒尾市・玉名市・玉名郡 (玉東町・和水町・南関町・長洲町) | 有明保健所 衛生環境課 | 0968-72-2184 |
| 山鹿市 | 山鹿保健所 衛生環境課 | 0968-44-4121 |
| 菊池市・合志市・菊池郡 (大津町・菊陽町など) | 菊池保健所 衛生環境課 | 0968-25-4135 |
| 阿蘇市・阿蘇郡 (高森町・小国町・南小国町・産山村など) | 阿蘇保健所 衛生環境課 | 0967-24-9035 |
| 上益城郡 (嘉島町・益城町・御船町・甲佐町・西原村) | 御船保健所 衛生環境課 | 096-282-0016 |
| 宇城市・宇土市・下益城郡(美里町) | 宇城保健所 衛生環境課 | 0964-32-0598 |
| 八代市・八代郡(氷川町) | 八代保健所 衛生環境課 | 0965-33-3198 |
| 水俣市・葦北郡(芦北町・津奈木町) | 水俣保健所 衛生環境課 | 0966-63-4104 |
| 人吉市・球磨郡(錦町・あさぎり町・多良木町ほか) | 人吉保健所 衛生環境課 | 0966-22-3108 |
| 天草市・上天草市・天草郡(苓北町) | 天草保健所 衛生環境課 | 0969-23-0299 |
| 熊本市を除く県内全域 | 熊本県動物愛護センター | 0964-27-8115 |
| 熊本市内 | 熊本市動物愛護センター | 096-380-2153 |
確認の流れはこの3ステップが実用的です。
- 熊本県防災情報くまもとで開設中の避難所を確認
- 自治体の防災ページでペット可否を確認
- わからなければ保健所または動物愛護センターへ電話
【参考記事】

今日からできるペット防災対策7選

熊本県公式「ペットを災害から守るために」にも掲げられている備えを中心に、すぐ取りかかれることを7つ厳選しました。
① マイクロチップの装着
マイクロチップは、飼い主を確実に特定できるとても有効な方法です。迷子札・鑑札と合わせることで、万一の際の発見率が大きく上がります。
② キャリー・ケージに慣れさせる
熊本市・熊本県ともに「ケージへの出し入れ、ケージ内で過ごすことに慣らしておく」よう呼びかけています。普段から生活空間に置いておくことが効果的です。
③ 基本的なしつけ
「すわれ」「まて」などの基本動作に加え、不必要に吠えないしつけ、決められた場所での排泄も重要です。
④ 猫は完全室内飼養を
熊本市公式は猫の「完全室内飼養(災害時の行方不明防止)」を明記しています。室外に出る習慣があると、災害時に逃げ出すリスクが高まります。
⑤ 複数の預け先を確保する
動物病院・ペットホテル・親戚・友人宅など、避難所以外の選択肢を準備しておきましょう。
⑥ ワクチン接種・健康管理を欠かさない
避難所での集団生活は感染リスクが通常より高くなります。年1回の狂犬病予防注射、各種ワクチン、ノミダニ駆除、不妊去勢手術。これらは受け入れ条件にも関わります。
⑦ 実際に荷物を持ってペットと一緒に歩いてみる
ペットを連れて、ペット用と人用の避難用品を持って避難できるか事前に確認しておきましょう。
熊本でペットと安全に避難するために

- 知る
「同行」と「同伴」の違い、自分の地域の避難所ルールを把握する - 備える
5〜7日分のペット用品を今すぐ準備。預け先も複数確保する - 練習する
キャリーに慣れさせ、避難ルートを実際に歩いておく
熊本は地震・豪雨・台風と、複数の災害リスクが重なる地域です。ペットは自分では動けない。連れていく決断も、守る準備も、すべて飼い主にかかっています。
避難所には、動物が苦手な人やアレルギーを持つ人もいます。ルールを知った上で、ペットも周囲の方も少しでも安心して過ごせるよう備えておくことが、いちばん現実的な防災になります。
災害は、ある日突然やってきます。
だからこそ、“その時”に慌てないための準備が、ペットと暮らす私たちには必要なのかもしれません。
大切な家族を守るために、今日できることから少しずつ備えていきましょう。
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