犬が食べてはいけない食べ物は、想像以上に多いことをご存じでしょうか?
チョコレートや玉ねぎなど、私たちにとっては当たり前の食材でも、犬にとっては命に関わる危険な存在になることがあります。
こちらの記事では、犬が口にしてはいけない食べ物をカテゴリ別に整理し、危険な理由や中毒症状、発症までの時間についてわかりやすく解説。
愛犬を守るために、知っておきたいポイントをまとめています。
※本記事は獣医師監修の複数資料および一次研究文献をもとに作成しています。
万が一の際は必ず動物病院にご相談ください。
犬が食べてはいけない食べ物【野菜編】
犬にNGな食べ物① 玉ねぎ・長ねぎ・にんにく・ニラ(ネギ類全般)

ネギ類に含まれる有機チオ硫酸化合物は、犬の赤血球を酸化・破壊します。その結果、溶血性貧血を引き起こし、重症化すると呼吸困難や死亡に至るケースもあります。
犬では体重1kgあたり15〜30gの玉ねぎを食べると中毒症状が出ることがわかっています。一般的なMサイズの玉ねぎは1個約200gです。ただし、体重の0.5%程度のわずかな量でも中毒を発症するとの報告も存在するため、少量だから安心とは言い切れません。
さらに、秋田犬・柴犬などの日本犬は遺伝的にネギ中毒の感受性が高く、他の犬種よりも少ない量で症状が出ることがわかっています。
また、加熱しても毒性は消えません。つまり、ハンバーグ・カレー・みそ汁など、ネギ類が入った加工食品や家庭料理も同様に危険です。エキスが溶け出した煮汁だけでも中毒を引き起こすことがあるため、おすそ分けには十分に気をつけましょう。
犬が食べてはいけない食べ物【果物編】
犬にNGな食べ物② ぶどう・レーズン

ぶどうやレーズンは、急性腎不全を引き起こす可能性がある少量でも危険な食べ物です。2022年の研究(Wegenast et al)でぶどうの果肉に含まれる酒石酸が原因物質と特定されました。犬は有機酸を排泄する能力が低いため、腎臓の尿細管壊死につながります。酒石酸の含有量はぶどうの熟度によって異なるため、一粒でも致死量になる危険性があります。
レーズンはぶどうの水分が抜けて成分が凝縮されているため、果実よりさらに少量で危険になります。ぶどうパンやフルーツ入りのお菓子にも注意が必要です。
犬にNGな食べ物③ アボカド

アボカドに含まれる「ペルシン」という成分は下痢や嘔吐などを引き起こす原因になるといわれています。中毒症状が出るまでの期間の目安はアボカドを食べてから3日以内とされており、この期間内に症状がみられる場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
果肉だけでなく、皮・種・葉にも毒性が含まれています。特に種は大きく、飲み込むと腸閉塞を引き起こす危険もあります。なお、中毒症状を起こす量は個体差があり、品種によってペルシンの含有量も異なるため危険な摂取量は明らかになっていません。
犬が食べてはいけない食べ物【魚介類編】
犬にNGな食べ物④ 生のイカ・タコ・エビ・カニ・貝類

「チアミナーゼ」という成分がビタミンB1を破壊してしまうため欠乏症を引き起こします。加熱することで予防できますが、イカやタコは加熱後も消化性が悪いため、与える場合はごく少量にとどめましょう。
また、カニ・エビは甲殻類アレルギーの原因になることがあり、アナフィラキシーショックのリスクも否定できません。なお、チアミナーゼは継続的な大量摂取で問題となるケースが多く、一度少量食べた程度で急性症状が出ることは比較的まれです。
犬が食べてはいけない食べ物【動物性食品編】
犬にNGな食べ物⑤ 鶏の骨・生の卵白・ハム・ソーセージ

鶏の骨: 鶏の骨は折れると縦に割けて鋭くなり、内臓を傷つける危険があります。犬には丸飲みする習性があるため、のどに詰まるリスクもあります。加熱された骨は特に割れやすく危険です。
生の卵白: 「アビジン」がビオチンの吸収を妨げ、皮膚炎や脱毛の原因になることがあります。ただし加熱すれば問題ありません。全卵であれば生でも大丈夫といわれますが、小型犬では1日1/3個程度が上限の目安です。
ハム・ソーセージ: 塩分・脂質・添加物が多く、腎臓や肝臓に負担をかけます。一度少量食べてすぐに危険な症状が出るわけではありませんが、日常的に与えることは避けてください。
犬が食べてはいけない食べ物【植物編】

犬にNGな食べ物⑥ ユリ科の植物
ユリ・カサブランカ・チューリップ・ヒヤシンスなどのユリ科の植物は、犬にとって危険といわれています。ただし、猫と比べると重篤な急性腎不全を引き起こす可能性は低いとされており、主な症状は嘔吐・食欲低下・よだれ・腎機能の低下などです。しかし、それでも重症化すれば腎不全や死亡に至るケースもあるため、決して軽視はできません。
特に注意したいポイントは、花・葉・茎・球根のすべての部位に毒性があること。また、花粉が体についてそれを舐めた場合や、ユリを活けていた花瓶の水を飲んだだけでも中毒を引き起こすことがあります。公園や庭先で見かけることもあるため、散歩中の拾い食いにも注意が必要です。
<その他の危険な植物について>
ユリ科以外にも、ツツジ科・スイセン・アサガオ・夾竹桃など、犬にとって有害な植物は多数あります。
観葉植物や庭の植物が安全かどうか不明な場合は、犬の手の届かない場所に置くか、かかりつけの獣医師に確認することをお勧めします。
犬が食べてはいけない食べ物【その他編】
犬にNGな食べ物⑦ チョコレート・ココア

カカオに含まれる「テオブロミン」が中毒症状を起こします。カカオ濃度が高いほど危険で、中毒量はダークチョコレートで体重1kgあたりわずか5g程度、一方ホワイトチョコレートは同500g程度が目安です。食べた直後は元気に見えても、症状は摂取後6〜12時間後に現れることが多く、24時間程度は中毒が起こる危険があります。油断は禁物です。
犬にNGな食べ物⑧ キシリトール

体重1kgあたり約0.1gで低血糖や嘔吐などの中毒を起こす可能性があります。一般的なガム1粒程度というわずかな量でも急性肝不全になる場合があります。ガムや歯磨き粉はもちろん、シュガーレスのお菓子や一部のピーナッツバターにも含まれているため、成分表の確認が欠かせません。
犬にNGな食べ物⑨ マカダミアナッツ

マカダミアナッツ中毒になるとほとんど(約8割)の犬で食べてから12時間以内に症状が現れると報告されています。早いものは1時間以内という報告もあります。主な症状は元気消失・運動失調・嘔吐・震え・発熱などです。
原因物質はいまだ解明されていませんが、体重1kgあたり0.7g程度から中毒症状が起こるリスクがあるとされており、マカダミアナッツ1粒は約2gのため小型犬は1粒でも注意が必要です。なお、多くの場合は重症化せずに24〜48時間以内に回復するケースが多いとされていますが、放置は禁物です。
犬にNGな食べ物⑩ 銀杏

銀杏に含まれる「ギンコトキシン(メチルピリドキシン)」は神経伝達物質のバランスを崩し、てんかん発作や痙攣を引き起こします。食後1〜12時間程度で症状が現れ、最悪の場合、死に至るケースもあります。秋の散歩ではイチョウの木の周辺での拾い食いに特に注意が必要です。加熱しても毒性は失われません。
犬にNGな食べ物⑪ アルコール・カフェイン

犬はエタノールを分解する酵素を持たないため、少量でも昏睡・嘔吐などの中毒症状を起こします。カフェインも同様で、小型犬ではコップ1杯の緑茶が致死量に達するともいわれています。飲み物だけでなく、コーヒーや紅茶を使ったお菓子にも同様の注意が必要です。
犬が食べてはいけない食べ物を誤食したときの対処法
万が一、犬が食べてはいけない食べ物を口にしてしまったら、まず「いつ・何を・どのくらい」食べたかを確認し、すぐに動物病院へ連絡してください。
自宅で吐かせようとするのは危険です。 気管を詰まらせるなど、かえって状態を悪化させるリスクがあるため、必ず獣医師の指示に従いましょう。また、症状が出ていなくても、危険な食べ物を食べた可能性があるなら受診することをお勧めします。中毒症状が出てから治療しても間に合わないケースがあるからです。
まとめ:犬が食べてはいけない食べ物一覧

犬が食べてはいけない食べ物は、日常生活の中に思った以上に多く潜んでいます。以下の一覧表を保存しておくと便利です。
| 食べ物 | 危険な成分 | 主な症状 |
|---|---|---|
| キシリトール | キシリトール | 低血糖・肝不全 |
| アルコール | エタノール | 昏睡・下痢 |
| チョコレート・ココア | テオブロミン | 嘔吐・痙攣・心臓障害 |
| カフェイン | カフェイン | 興奮・心臓障害 |
| マカダミアナッツ | 不明 | 元気消失・運動失調・発熱 |
| 銀杏 | ギンコトキシン | 神経毒・痙攣・呼吸困難 |
| ぶどう・レーズン | 酒石酸 | 急性腎不全 |
| アボカド | ペルシン | 嘔吐・下痢・呼吸困難 |
| 玉ねぎ・ネギ類 | 有機チオ硫酸化合物 | 溶血性貧血・血尿 |
| 生のイカ・タコ・エビ・カニ・貝類 | チアミナーゼ | ビタミンB1欠乏・歩行不能 |
| 鶏の骨 | ―(物理的危険) | 内臓損傷・窒息 |
| 生の卵白 | アビジン | 皮膚炎・脱毛 |
| ハム・ソーセージ | 塩分・添加物 | 腎臓・肝臓への負担 |
| ユリ科の植物 | 未特定(水溶性毒素) | 嘔吐・腎機能低下・腎不全 |
「届かない場所に置く」「落としたらすぐ拾う」
こうした日常の小さな習慣が、愛犬を守る最大の予防策になります。犬が食べてはいけない食べ物をしっかり把握したうえで、愛犬との安全な毎日を送りましょう。
もふもふ新聞より

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