〜片づけとは“自分の居場所を確保する外交戦略”〜
編集長のニャロウである。
春になると、人間たちは突然そわそわし始める。
窓を開け、棚を動かし、
「よし、片付けよう!」などと声を上げる。
……正直に言おう。
猫にとって、大掃除は一大外交問題である。
人間の「不要」と猫の「必要」は一致しない
人間は言う。
「これはもう使わないから捨てよう」
「古いから処分しよう」
だが吾輩は知っている。
その段ボール、
その紙袋、
その床に直置きされた謎の布—
すべて猫の重要拠点である。
特に
- しばらく触れられていない物
- 人間のにおいがほどよく残っている物
- 置きっぱなしにされている物
これらは猫の国では
「安心できる場所」として正式登録されている。
勝手に撤去されては困るのだ。
なぜ猫は”片付け途中”に集まるのか
大掃除が始まると、
猫は必ず作業エリアの中心に現れる。
箱があれば入る。
広げた布があれば座る。
床が空いたら、そこで寝る。
これは邪魔をしているわけではない。
「ここは私の管轄です」
という主張である。
外交的に言えば、
人間が国境線を引き直そうとするたび、
猫は旗を立てに行っているのだ。
猫にとっての片づけ=居場所交渉
猫は変化が苦手だ。
昨日まで安心だった場所が消えると、
心の地図が一気に書き換えられる。
だから春の大掃除では、
こう提案したい。
- すべてを一気に変えない
- 猫のお気に入りスポットは残す
- 新しい場所にも「猫ゾーン」を用意する
これが、
人間と猫の平和条約である。
編集長まとめ
「片付けとは、排除ではなく再配置である。」
きれいにすること自体は、
猫も嫌いではない。
日なたが増えるのは歓迎だし、
床が広くなるのも悪くない。
だがその中に、
猫の居場所が含まれていなければならない。
春の大掃除は、
ただの整理整頓ではない。
人間と猫が
「どこで、どう一緒に暮らすか」を
話し合う大切な機会なのだ。
さて、吾輩は今日も、
片付けられたばかりの棚の上で
堂々と寝る予定である。
ーーここは、もう吾輩の場所なのだから。
次回予告
「猫はなぜ高いところを好むのか」
~見下ろすことで世界は平和になる~
