第7回:「猫編集長、春の大掃除を語る」

猫の国から来た編集長

〜片づけとは“自分の居場所を確保する外交戦略”〜

編集長のニャロウである。
春になると、人間たちは突然そわそわし始める。
窓を開け、棚を動かし、
「よし、片付けよう!」などと声を上げる。

……正直に言おう。
猫にとって、大掃除は一大外交問題である。

人間の「不要」と猫の「必要」は一致しない

人間は言う。
「これはもう使わないから捨てよう」
「古いから処分しよう」

だが吾輩は知っている。
その段ボール、
その紙袋、
その床に直置きされた謎の布—
すべて猫の重要拠点である。

特に

  • しばらく触れられていない物
  • 人間のにおいがほどよく残っている物
  • 置きっぱなしにされている物

これらは猫の国では
「安心できる場所」として正式登録されている。

勝手に撤去されては困るのだ。

なぜ猫は”片付け途中”に集まるのか

大掃除が始まると、
猫は必ず作業エリアの中心に現れる。

箱があれば入る。
広げた布があれば座る。
床が空いたら、そこで寝る。

これは邪魔をしているわけではない。
「ここは私の管轄です」
という主張である。

外交的に言えば、
人間が国境線を引き直そうとするたび、
猫は旗を立てに行っているのだ。

猫にとっての片づけ=居場所交渉

猫は変化が苦手だ。
昨日まで安心だった場所が消えると、
心の地図が一気に書き換えられる。

だから春の大掃除では、
こう提案したい。

  • すべてを一気に変えない
  • 猫のお気に入りスポットは残す
  • 新しい場所にも「猫ゾーン」を用意する

これが、
人間と猫の平和条約である。

編集長まとめ

「片付けとは、排除ではなく再配置である。」

きれいにすること自体は、
猫も嫌いではない。
日なたが増えるのは歓迎だし、
床が広くなるのも悪くない。

だがその中に、
猫の居場所が含まれていなければならない。

春の大掃除は、
ただの整理整頓ではない。
人間と猫が
「どこで、どう一緒に暮らすか」を
話し合う大切な機会なのだ。

さて、吾輩は今日も、
片付けられたばかりの棚の上で
堂々と寝る予定である。

ーーここは、もう吾輩の場所なのだから。

次回予告

「猫はなぜ高いところを好むのか」
~見下ろすことで世界は平和になる~

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